緊急事態宣言延期について思う
朝位 真士
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って政府の緊急事態宣言が五月三一日まで延期され、声明が出された。日本全国並びに世界各地において、このウイルスの猛威が私共の心を不安にしている。感染された方の一日も早い回復を祈る。私共も感染源にならないように、また感染しないように「新しい生活様式」の実践例が示された。①基本的な感染対策、②日常生活で、③買い物、④娯楽、スポーツなど、⑤公共交通機関、⑥食事、⑦冠婚葬祭など、⑧働き方などが記されていた(朝日新聞、五月五日朝刊)。私はこの新聞記事を見て、どうすべきかということを考えさせられた。もちろん国民として、都民、市民として十分注意して生活していかねばならないが、私が大変心を痛めていることは、礼拝(自宅礼拝も大切ではあるが)や各集会、教会総会が開催されないことである。
旧約聖書はヘブル語で神を次のように説明している。①アドナイ。神が世界と人類の所有者であり支配者であることを示す(詩一三六・六)。②エロヒーム。神の権威と全能性を強調する(詩一三六・一)。この神を歴史と創造の主として、神に対する感謝をささげる歌が詩一三六編である。③エハバ。神は契約の主であり、その約束は不変であり必ず成就させる方であることを示す(詩一一八・一四)。新約聖書では次の通りである。①ゼオス(神)。神性をもち、人間の歴史と自然を支配する絶対的な権威を示している(ヨハネ一・一~二)。②クリオス(主)。生きた支配者であることを強調している。いのちの主は最善の時に最高のことをしてくださる方である(使徒二・二五)。③パテール(父)。万物の源であり、神の慈愛を強調している。父なる神は人間を子として慕い求めておられる。また、子を訓練し忍耐と清さを教えてくださる父である(ヨハネ一五・一六)。(『新キリスト教ガイドブック』より) 私はこのコロナウイルス感染症の流行がやがて終息することを信じるものであるが、この時期に私達の信仰、特にイエス・キリストに対する信仰を考える時であると思う。自分たちの信仰の真価が問われる時期である。