「旧週報メッセージ」カテゴリーアーカイブ

2018/7/22 週報メッセージ

   ホ群首都圏夏期聖会に出席して
                                                                                                     朝位 真士
  第二九回(通算六五回)ホ群首都圏夏期聖会が七月一五日(日)~一六日(月)、志木教会において開催された。参加者一四五名、献金(席上・予約)が約九三万円与えられた。聖会委員長として私が、奏楽者としてフミ子師
が、桜ヶ丘教会から大矢姉が出席した。
 主題「神の御心としての聖化」ーホーリネスの原点。「実に、神の御心は、あなたがたが聖なる者となることです。」(Ⅰテサロニケ四・三)主講師は竿代照夫師(インマヌエル総合伝道団、新浜・安食教会協力牧師)。一回目はⅠテサロニケ四・一~八より「聖化への招き」、主題聖句「神の御心は、あなた方が聖なる者となることです。」(Ⅰテサロニケ四・三)を中心に、例話を通して具体的・平易に語ってくださった。特に「聖化」の重要性を易しく鋭く語ってくださった。二回目はⅠテサロニケ三・一〇~一三、五・二三~二四を通して、「聖化への祈り」と題して語られた。「わたしたちの主イエスが、御自身に属するすべての聖なる者たちと共に来られるとき、あなたがたの心を強め、……神の御前で、聖なる、非のうちどころのない者としてくださるように、アーメン。」(三・一三)「平和の神御自身が、あなたがたを全く聖なる者としてくださいますように。また、あなたがたの霊も魂も体も何一つ欠けたところのないものとして守り……」(五・二三)
  聖会Ⅰは原田彰久師が詩一〇三・一~五を通して「聖なる御名をたたえよ」と題して、ユーモアの中に恵みに満ちたメッセージを語られた。今年から聖書学校の舎監として、吉川教会の牧師として赴任された牧師である。
 聖会Ⅲは五味明子師がローマ六・六~八、エフェソ三・一四~二一を通して、「信仰によるキリストの内住」と題してメッセージを語られた。先生は、地方の歴史ある教会で四〇年近く、婦人牧師として忠実に誠実に牧会され、会堂建築をされた先生である。

2018/7/15 週報メッセージ

   教団教誨師会「総会・研修会」に出席して                                                                                                                                                                                       朝位 真士
  七月九日~一〇日迄、国立オリンピック記念青少年総合センターで教団教誨師会が開かれた。講師は時久忠夫先生(単立広畑キリスト教会牧師、全国教誨師連盟理事)より「教誨師の働きを通して」という話を伺った。
 (Ⅰ)はじめに、(1)広畑キリスト教会について、(2)先生の信仰生活の歩み。(Ⅱ)教誨師となったきっかけ、①市内牧師会より推薦されたこと、②オスカー・ワイルドの「獄中記」を通して救いに与ったこと、③家出・ギャンブル依存症、罪を犯したこと。(Ⅲ)教誨師としての姿勢、①先輩教誨師から教えられたこと、②私は赦された罪人であることを忘れない(Ⅰテモテ一・一五)「『キリスト・イエスは罪人を救うために世に来られた』という言葉は真実であり、そのまま受け入れるに値します。わたしは、その罪人の中で最たる者です。」③私は被収容者の前に誇れるものは何もない、④主イエスにのみ私たちの場所(救い)がある(ヨハネ八・九)、⑤休まない、⑥二つの顔を持つ(教誨師と牧師)。(Ⅳ)姫路少年刑務所の教誨師として。先生は三六年間教誨師として、牧師として働かれ、生き生きと輝いた顔をされていた。使命を持っている先生の姿を拝見して、主の御名を崇めた。
 その他の内容としては、一日目は開会礼拝があり、総会、講演、教区報告(教団教誨師九三名のうち三〇名余参加)、二日目総会、語らいの時、三つの分団に分かれて教誨師、刑務所、拘置所、少年院等の各現場よりの生の声と祈りの課題を分かち合った。私は少年院(女子)の教誨師、篤志面接委員として一五年目になるが、今回も全国の教団の代表者達とお会いすることができて本当に感謝であった。
 映画「教誨師」が一〇月六日(私の誕生日)に有楽町スバル座で上映される。主演の大杉漣が教誨師を演じている。キリスト教の教誨師と死刑囚六人との対話が始まる内容である。彼は今年死去し、遺作となった。         

2018/6/24 週報メッセージ

    ホ群の特色教理Ⅲ
                                                                                                              朝位 真士
  (3)公同教会の形成へ寄与するホ群 日本基督教団が定める教憲には、教団成立に関し「……一九四一年六月二四日くすしき摂理のもとに御霊のたもう一致によって、おのおのその特色を尊重しつつ聖なる公同教会の交わりに入るに至った。かくして成立したのが日本基督教団である」とある。これによると「公同教会の形成に寄与する」とは合同教会である日本基督教団を教会として建てあげるために、ホ群もともに参加することであることを見る。具体的には、ホ群として教団信仰告白を重んじ、伝道の推進や教会形成に取り組むこと、また地区や教区の諸教会との交わりの中で体験的ホーリネスに生きるホ群教会の姿を表していくことである。
 しかし、「公同の教会」とは、より広く捉えると教会の頭であるキリストの地上における「からだ」である。この場合は「公同の教会」とはキリストの真理に立つ地上にある全ての教会を含む。それ故ホ群は教団の教会であるとの自覚を持ち、またその責任を果たしつつ、教派を越えて諸教会と交わり、協力関係を持つことが大切である。
 ホ群教会が規約3条に掲げたホ群の信仰に従って歩む時、今日において前進し、また私たちが属する日本基督教団、ひいては教派を越えて諸教会も建てあげていく。私たちはこの希望のもとに歩みたい。
 追伸
 (1)ホ群が受け継いできた伝統的信仰を、今日に継承しされあに深めていくと言う観点から、3条についてできるだけ簡潔に解説する。
 (2)合わせて、「体験的ホーリネスをもって公同教会の形成に寄与する」という積極的使命を果たすために、
今日ホ群の信仰をどのように展開していくのか、一つの参考となるように解説する。
 (3)なお、この度の解説文作成はホ群委員会として初めての試みであることから、「試用版」とし、今後さらにより良いものを練り上げていくことを願っている。

2018/7/8 週報メッセージ

   日本信徒前進宣教大会に出席して
                                                                                                             朝位 真士
  私は六月二八日(木)~三〇日(土)迄、日光オリーブの里で開催された「日本信徒前進宣教大会」に初めて参加いたしました。講師は野口誠師(JTJ講師、JSE教師、元石岡キリストの教会牧師)、宇佐神実師(ジェネシスジャパン会長、創恵聖書教会茨城チャペル牧師)、関根一夫師(ミッション・エイド・クリスチャン・フェローシップ牧師、亀田医療大学非常勤講師)他で、九〇名以上の参加者であった。総主題「主はわたしの助け主、わたしには恐れがない」(ヘブ一三・六)。
 一日目夜、宣教の夕べ。賛美、証し、フラさんびがあり、野口師の八四歳とは思えない力強いメッセージがありました。先生は東京大学大学院博士課程(聖書文献学)を修了された方で、牧師であり学者であり、高齢ですが大変力強い聖書のメッセージを語られました。
 二日目、宣教の朝。宇佐師は、創造を伝える働き人養成講座、教会・大学等でメッセージや講演を通じて、創造主の存在と創造のみわざのすばらしさを伝えています。特に私達が学校で学んだ進化論の誤りについて、学問的、聖書的に説明してくださいました。
 三日目の宣教大会。宮嶋裕子姉(三浦綾子初代秘書)の証しがすばらしく感じました。説教の関根師はヨハネ一五・一五~一七より「しもべと友だち」と題したメッセージでした。先生は教会をお持ちにならず、お茶の水クリスチャンセンターで日曜日の二時間礼拝を持たれている、ミッション・エイド・クリスチャン・フェローシップの牧師です。分科会はテーマ別分団で、テーマは、①祈り、②伝道、③高齢者、④創造を伝える意義、でした。私は伝道の分科会で助言者として、Ⅱテモテ四・一~五節を引用して、キリスト者として五八年間、伝道者として四三年間の証しをさせていただきました。皆様のお祈りに感謝します。
 交通費は金山会長のご厚意により、お茶の水より往復チャーター・バスで無料でした。感謝いたします。

2018/7/1 週報メッセージ

   二〇一八年弾圧記念聖会に出席して
                                                                                                             朝位 真士
  六月二四日、浦和別所教会での弾圧記念聖会に出席しました。二月一八日に献堂式を終えた新会堂にホ群首都圏の教会の教師・信徒たちが一〇八名集合しました。一九四二年六月二六日に起きたホーリネス系諸教会に対する政府の宗教弾圧を覚える聖会に大勢の方々が集まったことで、本当に神の御名を崇めました。司会は東海林昭雄師(菖蒲教会)、証しは町田さとみ師(初雁教会)、説教は大友英樹師(赤羽教会)、合唱はホ群諸教会有志。席上献金が一三四、八二三円与えられました。
  私の率直な感想を述べたいと思います。立証の町田先生は、「日本基督教団初雁教会五十年史」より引用され、(イ)聖教会派(教団第六部)の弾圧の実情、(ロ)教会解散、(ハ)教会解散後の信徒、(ニ)この試練の意義について語られました。「政府の弾圧の中で、聖教会派の教職・信徒たちが『天地の創造主である唯一の神と救主キリスト』への信仰を具体的に貫き、聖書の権威を傷つけることのなかったことは、真に誇りとするに十分なものでした。とにかく神は、この試練をもって初雁教会の信徒の信仰を鍛え給うたのです。そして初代キリスト教徒の受けた迫害や、徳川時代の苛酷な弾圧も信徒の胸の中に燃ゆる信仰の火を消すことができなかった歴史上の事実を身をもって新たに体験し証ししたことを、さらには今後も証しし続ける教会であることを信じ願っています」と語られ、心に残りました。
 大友先生は、使徒四・二三~三一を通して「祈りの力」と題してメッセージを語られた。初代教会の信徒たちは、(1)心を一つにしー一致した祈り、(2)明確な祈り、(3)思い切って大胆に御言葉を語ったことによって、「祈りが終わると、一同の集まっていた場所が揺れ動き、皆、聖霊に満たされて、大胆に神の言葉を語りだした。」(四・二三)教団には、①祈り、②献げ、③伝道(証し)せよとのスローガンがある。聖会を記念として祈りによって御業がなされるように祈りたいものです。

2018/6/17 週報メッセージ

   ホ群の特色教理Ⅱ                                                                 
                                                                                                               朝位 真士
  「特にウェスレアン・アルミニアンの神学的伝統を受け」                                               
 (1)規約三条は、四重の福音を掲げるホ群の信仰が、プロテスタント教会史の流れにおいては、体験的ホーリネスを重視するウェスレー、またアルミニウスの神学的伝統を受け継ぐものであることを明らかにする。
 (2)ウェスレーは神の恵みを、罪ある人間と神との関係の変化(信仰義認)をもたらすだけでなく、人間を造りかえるまでの恵み(新生・聖化)と捉え、これらキリスト者の完全の教理としてまとめた。ウェスレーはその際、極端なカルバン主義の予定論を批判し、神の恵みは全ての人に等しく及んでいること、また人は自由な意思を持って神の恵みに応えることができると主張したアルミニウスの理解に沿って神学的見解を表した。
 (3)四重の福音の特色教理を持つホ群が、以上のウェスレアン・アルミニアンの神学的伝統を受け継ぐのは、わたしたちが大切にする「体験的ホーリネス」を聖書的また教会的に健全で、しかも力強い聖霊の恵みのわざとして正しく理解し、これを継承するためである。               
  (4)体験的ホーリネスを生きるホ群。私たちの罪を赦して義とし、新たに生まれさせ、神の子とする聖霊のみ業は、わたしたちを潔め、神の子にふさわしく造りかえてくださる。この恵みの業に与ること、そして「体験的ホーリネス」を生きることが何より大切である。
 (5)体験的ホーリネスは実践へと押し出す。「我らを潔めて義の果を結ばしめる」(教団信仰告白)聖霊のみ業は、ここからキリスト者を福音の証し人として、福音伝道とキリストの体である教会を建てあげる働きへと向かわせる。また日々の歩みにおいて地の塩・世の光として生きることを自覚させる。                       

2018/6/10 週報メッセージ

   ホ群の特色教理
                                                                                                             朝位 真士
  日本キリスト教団ホーリネスの群規約第3条解説文によると、「ホ群は聖書的福音主義の信仰に立ち、新生・聖化・神癒・再臨の特色教理を強調し、……」とある。この四重の福音の教理は、聖霊なる神の恵みを、神と人との関係の変化(罪を赦して義と認め、神の子とする)をもたらすだけでなく、「体験的ホーリネス」として、人を新たに生まれさせ、神の子にふさわしいものに潔め、造り変えること、つまり人が体験して知ることのできる恵みの働きをするものとして示す。なお、「体験的ホーリネス」は人の努力によるのではなく、神の恵みとして与えられるものである。ホ群はこの信仰を強調して今日に至っている。
 (1)新生 「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」(ヨハネ3:3)キリストの十字架の死と復活を通して私たちに現された神の贖いの愛は、私たちを悔い改めへと導き、罪赦された神の子として新たに生まれさせる。また、このように私たちを新たに生まれさせる神の恵みは、決して変わることがなく、この恵みのうちに聖霊は私たちを聖なる者へと造り変えていく。
 (2)聖化 「聖なる生活を抜きにして、誰も主を見ることはできません。」(ヘブライ12:14)神は子である私たちの内に聖霊を住まわせ、罪の心を潔めて愛、喜び、平和、寛容等豊かな義の実を結ばせるように働く。聖霊の働きと導きの中で、「きよめの恵み」を日々生き続けることである。
 (3)神癒 「主はお前の罪をことごとく赦し/病をすべて癒し」(詩103:3)「イエスは……病人を皆いやされた」(マタイ8:16)病の中にあっても神のみ業が現されるという信仰を大切にしたい。
 (4)再臨 「見よ、わたしはすぐに来る。わたしは報いを携えて来て、それぞれの行いに応じて報いる。」(黙示
22:12)再臨の主への信仰は、罪と悪が満ちている今日の時代に、教会が希望と喜びを失わず立ち続け、福音を証しする大きな力となる。(つづく)

2018/6/3 週報メッセージ

   創立九五周年記念礼拝を迎えて
                                                                                                                                    朝位 真士
  今年も岸義紘先生をお迎えすることができて感謝いたします。今年で一八回目になります。
 私共の教会は一九二三年(大正一二年)六月一日、初代牧師である板井康裕先生が世田谷区桜新町の自宅で開拓伝道を開始したことで始まりました。一九三〇年、渋谷区栄通りに移転して「祈りの家渋谷ホーリネス教会」と改称。一九四二年、日本基督教団設立とともに教団に加盟し、「桜ヶ丘教会」となりました。記念礼拝に岸義紘先生をお迎えできたことは、先生のご厚意はもちろんのこと、神様のお導きだと感謝しています。先生は日本全国、どんな小さな集会でも御用してくださる方です。今回は、ルカ七章三六~五〇節を通して「罪を多く赦された人は多く愛す」という題でメッセージを取り次いでいただきます。
 今回は三千枚のチラシを用意して、新聞に二千六百枚、残り四百枚を教会員に配布していただきました。私共は最近三〇名礼拝を祈り、五〇名が特別集会に集まるように祈ってまいりました。岸先生が来られたこの記念すべき時に、かつての渋谷ホーリネス教会時代の礼拝五〇名、祈祷会二〇名、伝道会三〇名に戻って百周年記念礼拝をもてるように、教会員の皆様方のお祈りを切に願うことです。
 聖書コリントの信徒への手紙一、一章一八~二一節「十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です。それは、こう書いてあるからです。……知恵のある人はどこにいる。学者はどこにいる。……神は世の知恵を愚かなものにされたではないか。世は自分の知恵で神を知ることができませんでした。それは神の知恵にかなっています。そこで神は、宣教という愚かな手段によって信じる者を救おうと、お考えになったのです。」「あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを見いだすだろう。」(コヘレトの言葉一一章一節)神に期待しましょう。

2018/5/27 週報メッセージ

   クリスチャン生活の使命
                                                                                                            朝位 真士
  クリスチャンにとって、この地上の生涯の目的は、ただ神の栄光を現すために生きることです。そして、人生はもはや自分のものではなく、その目的を果たすために、ある一定の期間、神から託されたものであると考えています。また、その究極のクリスチャン生活の使命は、福音を全世界に伝えるためにキリストの証人となることです。
 (1)神の栄光を現すために生きる
 Ⅰコリント6・19~20には「あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり、あなたがたはもはや自分自身のものでははいのです。あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。だから、自分の体で神の栄光を現しなさい」とあります。クリスチャンの体は、聖霊の宮です。キリストの内住ともいいます。この体は、もはや自分のものではなく主のためにあるのです。人間的ないかなるものにも、体を支配させず、その体の働きをもって神の栄光を現すのです。
 (2)恵みのよき管理人として生きる
 人間の生命も、賜物も、金銭も、物質もすべては神から委託されているものです(Ⅰペテ4・10)。この管理者である生き方は、人生の価値基準が名誉や地位や金銭や物質にあるのではなく、神のご意志にこそあることを示しています。
 (3)キリストの証人として生きる(Ⅱテモ4・2、ローマ1・16)
 クリスチャンとは、この福音の力の証人として神に立てられた者です。神の栄光のために良き管理人として生きること。すべては、究極的なクリスチャン生活の目的に吸収されるのです。この時代は、キリストの再臨がいよいよ近づいている時です。今日求められているのは「キリストのみ名によって生きよ」と力強く宣言できる大胆な人物の生き方です。(日本教会新報社より引用)

2018/5/20 週報メッセージ

   聖霊降臨日(ペンテコステ)とは何か                                                                                                                                                                                        朝位 真士
  使徒言行録二章にある、聖霊が弟子たちに降ったことを記念する祝日です。復活日の七週間後。復活日を一日目として数えて五〇日目。必ず日曜日です。キリストが昇天するのを見送った弟子たちは一箇所に集まって祈っていました。そこに聖霊が降りました。それ以降、聖霊は信徒の群れに留まり続けていますので、「教会の誕生日」などと説明されます。ただし、ペンテコステという言葉は、単に「第五〇」を意味します。「五旬祭」(使徒二・一)別名「七週祭」とも言います。
 ユダヤ教では、神殿があった時代はこの祭りの日に各地から神殿にお参りする義務がありましたが、神殿がなくなってからは(紀元七〇年)、各地に散ったユダヤ人がシナゴーグと呼ばれる会堂に集まってルツ記が読まれるようになりました。ルツ記はそのような異なるクニ、違う言葉、別の文化を持つ人たちが一つの家族となった物語です。使徒言行録二章によると、聖霊に満たされた人々が他の国々の言葉を話し始めたとあります。まさに、福音が異なるクニ、違う言葉、別の文化を持つ者に伝わっていく姿を思わせ、ルツ記とつながる出来事です。
 今日の使徒言行録二章一~一三節において、聖霊の降臨の記事が記載されています。この瞬間から聖霊は初代教会を支配する実在の原動力となりました。三つのことが語られています。①聖霊は神の指導力の源泉でした。初代教会は聖霊の導きを受けずに大切な決定をしたことは一度もなかったし、重要な段階に踏み出したこともありませんでした。②教会の指導者たちは、聖霊に満たされた人たちでした。初代教会の会員は皆、空気を呼吸して生きているように、聖霊のうちに生きていました。③聖霊は、その日その日の勇気と力の源でした。キリスト者が危険に遭遇したときの勇気、十二分に人生を処理する力、雄弁が要求されるときの雄弁、状況に左右されることのない喜びーこれらすべてが聖霊の働きです。