感謝して今を生きる
川﨑 信二
必要なものは
天から頂きました
これ以上
ほしいものはありません
枯れてゆく秋の花
一番幸せな時です ※ヒャクニチソウの画と共に
『星野富弘カレンダー2026』(9月)に載っている作品で今回新作として公開された作品ですが、星野さんの晩年に描かれたものかどうかはわかりません。星野さんの晩年を考えると、本当に胸に迫る言葉です。特に最後の、「枯れてゆく秋の花/一番幸せな時です」という逆説が印象的です。
「枯れていく=衰えていく=失っていく」という普通なら寂しさを感じる時期を、星野さんは「一番幸せな時」と言っているのです。しかも、「必要なものは天から頂きました」という言葉が先に置かれていることで、この詩が単なる人生訓ではなく、星野さんが長い人生の中で培ってきた信仰の告白として読むことができると思います。
星野さんが主のみもとに召されたのが2年前ですから、どうしても「人生の終わり」を重ねて読んでしまいます。ただ、そこには「死を待つ人の諦め」ではなく、「もう十分に与えられている。だから、失われていく時さえ幸せなのだ」という、とても静かな感謝があります。それは怪我により車いすの生活となったことから主イエスとの出会いが与えられたことが大きいのだと思います。弱さの中にあって、いつも主が共にいてくださることを感じていたのではないでしょうか。
年を重ねるごとに、神に近づく。齢と共に自らはますます小さくなりますが、それゆえに謙虚な心を持って神に向かうものでありたい、と願わされています。