「主にある一致」2021・1・10説教要

朝位 真士

今日は1コリント1・10~17節を通して聖書を学んで行きます。この1・10~13節は分争に関する訓戒。14~17節パウロの使命。とあります。キリストの教会の進歩発達は、信者の一致結合によってなされる。その進歩衰退は信者の分裂分争に原因する。コリントの信者は恵まれた信者であったが、不幸にもその内部に分裂があり、信者は互いに党派をつくり、パウロ党、アポロ党、ペテロ党などの派閥があり、一方にはまたそのいずれにも属さず、唯キリストに属するだけの者とがあり、互いに反目していた。

 では1・10~17節を見て下さい。ここでは教会内の分争が語られています。人が集まるところ、集団の形成されたところに必ず生まれるのが分争であり、派閥である人は分争を好み、分争を起こすことを喜び、個人的な紛争から国際間の紛争に至るまで、その原因のほとんどは両者の利害関係による自己主張である。これは昔も今も変わらない。パウロが先ず第1に取り上げた問題は教会内の紛争である。しかし彼の態度はきわめて穏やかであった。10節を見て下さい。パウロはコリントのキリスト者に「命じる」のではなく、「お願い」しています。パウロはキリストに代わってお願いしているのであります。パウロが願った内容は、「どうか、みなが一致して、仲間割れすることなく、同じ心同じ判断を完全に保つてください」ということであった。パウロは、彼の耳に入った情報があり、コリント教会には4つの党派の対立があって、それぞれのリイダーの名のもとに自分を主張し、他を排斥していることを知った。そこで彼はコリントの信徒に呼びかけて言う。11~12節を見て下さい。この分争は、信仰上の教えについての堂々たる論争ではなく、偏狭な自己中心主義から出た者であった。更にこの分争の原因がどのようなものであっても、教会の一致を乱すのが悪魔の仕業であることは間違いありません。パウロはこの状態を重要視し、主にあって彼らを叱責しています。13節を見て下さい。教会の分争は、その分争の主をキリストの代わりに擁立することである。17節を見て下さい。パウロは自分の使命を語る。自分の使命は福音の種蒔きであって刈り入れでないこということなのであります。コリント教会の分争の原因となったのは嫉妬心であり、競争心であった。コリント教会の分争が教会に大きく打撃を与えたのは、本来自己犠牲に生きるべき教会が自己主張に生きていたからであります。もう1度17節を見て下さい。パウロはひたむきに福音を宣べ伝えるために召された。しかも『知恵の言葉を用いずに』宣べ伝える為と言っています。「知恵の言葉」とは、ギリシャ的雄弁術であり、哲学的衣をつけての表現である。もともと福音は事実である。たんなる思弁ではない。哲学でも理論でもない。十字架につけられたイエス・キリストをそのまま語れば良いのであります。パウロは率直に、福音の事実をありのまま人々の前に提示しようとしたのであります。

結び

もう1度1・10~17節を見て下さい。

パウロは、キリストの愛をもって、コリント人に分裂・不一致がいかに間違ったことであるかを知らせるためにお互いは兄弟であり、したがって美しい兄弟愛の中に生きるべきだと言っています。パウロはコリント教会に4つの分派を挙げています。1・パウロにつく。

2・アポロにつく使徒18・24節に簡単な性格描写がなされています。彼はアレキサンドリヤ生まれのユダヤ人で、雄弁家であり、聖書に精通していた。

3・ケパにつく彼はペテロのユダヤ人名である。ユダヤの律法を守るべきことを人に教えようとしたのだ。4・キリストにつく。―キリストの十字架を最も単純名言葉で人々の前に示すこと。これがパウロの目的でありました。もう1度1・10節を見て下さい。フィリピ22~3節p362お祈りします。アーメン。