朝位 真士
前回に引き続き、石田学先生の講演を記します。先生は「老人よ、若者よ、夢を見よ」の中で、ヨエル3・1、コロサイ3・1~5の聖書を引用されて、次のように語られました。
心引かれ、上を見ることをしなくなっていたのです。この呼びかけは、わたしたちに対する呼びかけでもあり
ます。現代の日本は、いま休息に全体主義的になりつつあると思います。多くの人々が皆、景気の回復を優
先課題に挙げ、その他の理念が背後に斥けられつつあります。人々の自由と尊厳が制限される方向へと世
日本伝道の幻を語る会(その1)
朝位 真士
第45回日本伝道の幻を語る会が8月19日~21日まで市川サンシティで開催されました。今回の講師である石田学先生(日本ナザレン教団小山教会牧師、ナザレン教団理事長、ナザレン神学校教授、日本キリスト教協議会教育部理事長)が1回の講演と、1回の説教をしてくださいました。先生は、「日本伝道の未来を夢見るために日本におけるキリスト教伝道の現状と未来の展望」と題した講演の中で、1、日本プロテスタント教会の現状。2、日本の宗教性とキリスト教信仰。①日本でキリスト教が広まらないわけ、日本の社会構造と宗教性の問題。②日本におけるプロテスタント信仰と教会の特徴。3、日本伝道の未来を夢見るために。①「伝道」を問うことは「教会」を問うこと。②対抗共同体としての教会。4、日本伝道の未来を夢見て、ということを語られました。非常に非常に学問的かつ実践的な講演でした。
夜の「切り拓け!日本伝道」のメッセージは、ヨエル3・1、コロサイ3・1~5、マルコ12・41~44より、「老人よ、若者よ、夢を見よ」という題でした。先生が一ヶ所の教会に32年奉仕されて、途中転任の話があっても一人の魂のためにそこで牧会しておられる真実な姿に、私自身大変感銘を受けました。先生は3回位転任の話を断って、超教派的に多方面で大きな働きをしておられます。「わたしたちは、天の本国を望み見て旅する旅人です。だから、神の民は天を見上げていなければなりません。天の国を望み見なくなる時、わたしたちはこの世の現実ばかりに目を注ぎ、問題や困難、試練や禍に心を占領されてしまい、喜びと未来の希望を持てなくなってしまうのです。……コロサイのクリスチャンたちは現実の問題や困難に心奪われ、世の中の風潮に迎合し、地上のことばかりに心惹かれ、上を見ることをしなくなっていたのです。」と語られました。(続く)
8月15日を前にして
朝位 真士
今年も8月15日の終戦記念日を迎える。1945年(昭和20年)8月15日からはや68年を経過しようとしている。多くの人の犠牲によって現在の平和が保持されていると思う。多くの方々が戦争の犠牲になって、平和の尊さをあらためて感じさせることである。1945年8月6日に広島に原子爆弾が投下され、9日には長崎にも投下された。今も被爆された方々の苦しみが続いている。被爆された方々の記事を読むと心が痛む。9日は北九州工業地帯であった小倉に投下する予定であったが、天候不順で長崎に変更されたと聞いて、本当に心が痛む。私は当時小倉に住んでいた。幼児であったが、もし小倉に投下されていたなら今日の私はいない。また私の家族・親類も生存していないと思う。多くの人の犠牲の上に私共が生かされていると思うと、私はもっともっと感謝しなくてはならないと思う。
私は献身する前に商社に勤務していた1969年、東京勤務の時に箱根で開かれたケズィック・コンベンションという大聖会に参加した。そこでスコットランドのジョージ・ダンカン博士のメッセージを聞き、献身の決意をした。献身準備のために1年間淀橋教会で、小原先生、峯野龍弘先生のご指導を受け、1975年に神学校を卒業。北九州復興教会にて1994年まで19年間副牧師をさせていただいた。1994年4月、桜ヶ丘教会に家族4人で赴任させていただき、1997年に新会堂が与えられて、今日まで桜ヶ丘教会で奉仕をさせていただいている。もし68年前、原子爆弾によって命を落としていたら、今日の私共はなかった。何か複雑な気持ちがする。主のあわれみだと神に感謝している。
教団教誨師会「研修会」に出席して
朝位 真士
私は7月29日~30日、軽井沢南教会で教誨師・教区代表者研修会に出席させていただいた。今回は、「教誨師として被収容者と関わって」「スピリチュアル・ペインとそのケア」という題のもとで、ジェームズ・サック先生(ルーテル学院大学教授、府中刑務所教誨師)の2回の講演があった。参加者は三十数名であり、某大学の学生数人も参加された。
この集会に参加して、大いに学びをさせていただいた。特にサック先生の講演で、私は新しい境地を開くことができた。「刑務所で外国人との働きについて」ースピリチュアル・ニーズとケア。簡単に講演内容を記すと次の通りである。
2008年9月~2013年7月(5年間の歴史)。①全体の統計、5年間55人、27カ国、387人の面接。②投獄の理由、麻薬85%、強盗・窃盗7%、殺人5%。③面接の仕方、一人あたり15分、英語と日本語。④面接内容、犯罪・罪意識、家族関係、神様と聖書、刑務所の活動。⑤刑務所に対する不満とありがたさ。⑥悩みと喜びの内容。⑦囚人たちの宣教。⑧神様との出会い。⑨スピリチュアル・ニーズ。⑩洗礼・葬儀・オリーブ油を注ぐ等。
スピリチュアル・ペインの定義。意味の危機、人間関係の問題、損失、和解されていない傷。スピリチュアル・ペインのパターン。ゆるし44%、意味22%、関連性21%、希望13%。意味のペイン、「生きる意味を求める」。苦しむこと-意味=絶望、苦しむこと+意味=希望。
ホ群夏期聖会に出席して
朝位 真士
第24回(通算60回)のホ群首都圏夏期聖会が7月22日~24日まで、ハートピア熱海にて87名の出席(教職者33名、神学生15名、信徒39名)で開催された。主題は「今こそ神の福音の時ー四重の福音」(マルコ1・14~15)であった。
聖会Ⅰの説教は深谷春男師。詩103編より「溢るる恩寵・四重の福音」。聖会Ⅱは久多良木和夫師で、エフェソ2章1~10節より「恵みによっていただいた救い」。聖会Ⅲは都築英夫師で、詩46編より「静まって我を知れ」。聖化講演は潮義男師で、レビ記11章45節より。オプション、霊性と祈り、横山好江師。ゴスペル片西師、澤田直子師。癒しの祈り、中込己一郎師。聖会Ⅳは久多良木和夫師で、ローマ6章1~14節より「キリストと共に死に、キリストと共に生きる」。早天祷告会Aは湯本春実師、Bは片平貴宣師、Cは佐野明子師。聖会Ⅴは横山義孝師で、Ⅰテサロニケ5章23~24節より「キリストの日に備えて」。
私が聖会委員の一人として感じたことを簡単に述べさせていただきたく思う。今回、場所的には大変環境の良い所で、三日間都会の騒がしさから離れて主との交わりに過ごせたことは、大変良かったと思う。聖会Ⅰで深谷師が四重の福音(新生・聖化・神癒・再臨)の総括を語られ、聖会Ⅱで久多良木が新生と献身とを誠実とユーモアの中で力強く語られた。同師は目のハンディキャップ(片目失明)をもちながら、努力して医学部を卒業し、学生時代に信仰をもたれた。そして卒業と同時に神学校に入学された。良き牧者であり、ホ群副委員長、教授、北九州復興教会牧師として、御用しておられる。2回のメッセージは私の生涯の再献身となった。また、聖会Ⅴの横山義孝師は八〇数歳の高齢にもかかわらず、再臨信仰を力強くお語りになり、私共のマンネリ化した信仰に活力を与えられた。皆様のお祈りを心より感謝申し上げる。ハレルヤ!!