最初の愛に立ち返る
川﨑 信二
「……あなたは初めのころの愛から離れてしまった。だから、どこから落ちたかを思い出し、悔い改めて初めのころの行いに立ち戻れ。」 ヨハネの黙示録2:4-5
先週は母の日でした。世界中で、お母さんに「ありがとう」を伝える日となっています。母の日は教会暦にはありませんが、教会の中で始まった習慣です。
諸説ありますが、アン・リーブス・ジャービスの生き方をその娘が記念して、教会で「母の日」を開催したことに始まります。1908年5月10日のことです。母アンは、アメリカでの南北戦争の時に「敵も味方も区別しない。傷ついた兵士は誰かの息子だ」と北軍も南軍も隔たりなく看護し、戦後も互いの和解のために尽力した人でした。
娘アンナは手紙を書き、新聞社や政治家、実業家、聖職者に送り、心動かされた人たちによってこの運動は一気に全米に広がりました。その一人がデパート王ジョン・ワナメーカーです。5月第2日曜日が国民の祝日に制定されました。
今回初めて知ったことですが、娘アンナが母の愛を記念して始めた習慣でしたが、その彼女が皮肉にも「私が作った母の日を、消してくれ」と叫びながら、誰にも看取られずに精神病院で亡くなったというのです。理由は、素朴にお母さんに感謝する日としたかったのに、商業主義に利用され、創始の趣旨を思い起こすことができなくなったということ。花屋はこの日が近づくとカーネーションの値段を3倍に吊り上げ、グリーティングカード会社も、菓子メーカーも便乗して自分たちの利益をあげるために用いたのです。
そういう経済の潤いも決して悪いものとは思いませんが、クリスマスにしても、最近ではイースターも本来のイエス・キリストによる救いの出来事とは関係のないところで盛り上がっていることに残念な思いになります。
最初の趣旨、神様の愛に立ち返ることを遠ざけてしまう商戦には疑問を感じることがあります。
母の祈りに心を寄せたいと思う次第です。