2024/1/28  週報メッセージ

「抵抗せよ」(Ⅰペトロ 5:6-11)

18世紀のフランスに生きたマリ・デュランは、プロテスタント信仰を守るために38年間も牢獄に閉じ込められました。彼女は牢獄の石の壁に、血を流しつつ爪で「レジステ、抵抗せよ」と刻み続けました。レジステという言葉は、本来は「立ち続ける」という意味だそうです。

「信仰にしっかり踏み止まって、悪魔に抵抗しなさい。」(9節)この言葉は、マリ・デュランよりもっと厳しい迫害の中にいた初代教会の信徒たちに、使徒ペトロが送った励ましの言葉です。ペトロは、信仰生活とは悪魔との絶えざる戦いである、と言っています。主イエスも、人間を罪の虜にしようとしたサタンと、戦い続けられました。サタンは、人間を罪から贖い出す十字架を何とか阻止しようとしました。主は、そのサタンと戦い続けられました。

私たちの信仰生活も、常に神様に従うか、サタンの誘惑に負けるか、という戦いの中にあります。サタンは極めて巧妙に私たちを誘惑してきます。ですから自分の力では打ち勝つことはできません。思い煩いをすべて主に委ね、主に戦ってもらうのです。主に大将となって頂き、自分はその後に従って、大将の指示に従って戦うのです。あらゆる恵みの源である神様は、私たちを完全な者とし、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます。「完全な者とし」という言葉は、破れたものを繕い直す、という意味の言葉です。母親が愛するわが子の着物の破れを丁寧に繕うように、神様は、私たちの欠けを繕ってくださり、本来の姿を回復してくださるのです。

この神様の恵みの中に、私たちは立ち続けるのです。サタンに襲われ易い人とは、神様に委ねることをしないで、一人で思い煩っている人です。自分で何とかしようと思い煩う者は、やがて疲れ果てて、サタンに隙を見せてしまいます。その隙を見せた所に、サタンは襲い掛かってくるのです。どのように神様の恵みの中にしっかりと立ち続けることができるか。それがサタンとの戦いの鍵なのです。(1/21 柏明史師 説教)