2021/8/15 週報メッセージ

エリック・リデルの偉業                                                  朝位 真士 

 東京オリンピック用の小冊子「大会の歴史と物語」を福音伝道の目的で配布している。この小冊子のテーマは、オリンピックの歴史を含めた、アカデミー賞(作品賞)受賞映画「炎のランナー」の主人公エリック・リデルの生涯の証である。

 エリック・リデルは1921年から1925年まで137回のレースに出場して93回優勝した。1924年のオリンピックはパリで行われることになり、本人もイギリス国民も100メートルでの金メダルを期待した。エリックは大きな信仰の試練に遭遇する。オリンピック100メートルの予選が日曜日に行われることになった。幼い頃からキリストを信じていたエリックは、神を礼拝する日曜日にスポーツ競技に出ることをためらい、不参加を決意。しかし、エリックは別の曜日に行われた400メートルに出場し、47.6秒という世界記録で優勝した。すべて「神を第一」とする彼の信仰によるものである。

 彼はその後、当時、戦争、洪水、飢饉にあえぐ中国への福音宣教に召された。1925年、エリックは23歳の若さで中国へ向かった。天津を中心に20年近く福音を伝えていたが、戦火が激しくなり捕虜として収容され、1945年に病死。獄中においても福音を伝え続けたエリックは、与えられた人生のすべての行程を走り尽くしチャンピオンとして天国にゴールインした。罪によって破壊されたこの世に、私たちの安住の地はない。私たちの本当の国籍は天にある(フィリ3:20)。

 皆さん、この際に是非この冊子を読んでください。弁護士の佐々木満男先生は、上の内容を熱く語ってくださった。オリンピックのことについて賛否両論があると思う。このコロナウイルス・パンデミックの状況で実行したことは、本当に意見が分かれることと思う。しかしこの時期に、クリスチャンでありオリンピック勝利者であるエリック・リデルの偉業について、小冊子を通して学ぶことができたことは、私にとって大変有意義なことであった。ローマ8:28、「万事を益とする」神に栄光を帰したい。