2018/10/28 週報メッセージ

   教誨師とは
                                                                                                             朝位 真士
  私は教団の教師として、女子少年院の教誨師を十数年務めさせていただいています。最近「教誨師」という映画が上映されています。皆様に「教誨師」についてご理解いただき、祈っていただきたいと思います。
 国の機関である矯正施設が宗教活動を行うことは、憲法上許されていません。しかし受刑者や少年院在院者等の矯正施設の被収容者の中には、信仰を持っている人や信仰を持とうとしている人が少なくありません。そこで、これらの人たちに対して信仰の自由を実質的に証しする観点から、できる限り便宜を図ることが必要となります。このため矯正施設においては、被収容者の希望に基づいて、宗教家による説話、宗教行事、経典の読唱等を行うことを民間の篤志家に依頼し、実施しています。これらの活動を「宗教教誨」と言い、その活動に従事している人たちのことを「教誨師」と呼んでいます。なお、宗教教誨には、同じ宗教教誨を希望する者を集めて行う「集合教誨」と個人に行う「個人教誨」とがあります。教誨師は、矯正施設に収容されている少年や被収容者に、自ら信じる宗教観、倫理観に基づき、心情の安定と改善更生を願って行うボランティアです。
 教誨師は宗教家でなければなりませんが、希望すれば必ず教誨師になれるわけではありません。希望する矯正施設の収容状況、教誨師の人数から見て、新たに教誨師になった方が活躍できる余地がなければなりません。このような諸条件をクリアして初めて教誨師となります。今まで私の行っている女子少年院で、被収容者の少年が信仰を持ち、その母親も信仰を持ち、婦人牧師となって今神学校で教えているということを伺いました。どうぞ教誨師のため、刑務所、拘置所、少年院に収容されている方々のためにお祈りしてください。元ヤクザの親分で、信仰を持って今牧師になっている人もいます。施設に入所している人々が救われるように祈ってください。