2011/7/10 週報メッセージ

   ある牧師の著書より思う
                                                              朝位 真士
  福島で被災された教会のS牧師の著書『流浪の教会』、『順風よし、逆境もまたよし』、『「苦しみ」から生まれるもの』等を読み、また本人の被災前後の体験を聞き、非常に大きな感動を覚えた。先生は、福島の原発近くに5つの会堂を30年近くの間に建設された。特に2009年には100年先を見据えた会堂建設をされた。しかし、2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9の巨大地震、津波、原発放射能汚染が発生して、教会付近一帯は立入禁止となり、約60名の信徒と流浪の旅が始まった。現在も続いている。先生は『流浪の教会』の中で次のように述べています。
 
  聖書がいう最終的な結論はこうです。私たちの一生を神様は本当に素晴らしいものにしてくれます。……今 後の人生で「あの時のことを考えたら、耐えられないことは無いな」と強くなる可能性が大きいと思います。  
 「神は真実な方ですから、あなたがたを耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。……試練と ともに脱出の道も備えてくださいます」と確認致しました。
  私たちは今すべてが剥ぎ取られ、日常の一切が無くなりました。そして必要なものはそんなにたくさん無い 
 ことを知りました。本当に大切なものは、キリストと、お互いの結びつきです。……私たちの群れは、初代教
 会が散らされたように散らされました。
  先生は、著書の中でも講演でも、信仰にとって最も大切なものは持ち物(会堂、組織、会員)でなく、主イエス・キリストを信じる信仰に尽きると語られました。有能な牧師、成功した牧師、多くの信者を有する牧師の語ったことの中で、「目に見えるものは、すべてなくなっていくが、主イエス・キリストとの信仰の結びつきは、いつまでも失うことはない」と涙ながらにうったえておられたことが、私の心に強くとどまりました。