神の業がこの人に
朝位真士
ヨハネ9章の盲人のいやしの奇跡物語を見ると、ヘレン・ケラーのことを想い出します。
彼女は耳がきこえない、話すことができない、盲目である三重苦を経験しました。
信仰厚いサリバン先生は神の力を信じ、幼いヘレンの指を自分の唇にあて、「ウォーター」と繰り返しゆっくり発音し、もう一方のヘレンの手を水にさわらせました。
人の忍耐をこえる必死の努力を数千、数万回繰り返し、とうとうヘレンは「ウォーター」と言ったのです。しかし、サリバン先生はたんにしゃべることを教えただけではありません。彼女はまず第一にヘレンに神とキリストの愛、ヘレンへの愛を教えました。
ヘレンはこの神の愛への信仰を心に刻んで、その力で三重苦を乗りきり、大学を出て博士となり、全世界を廻って神の愛、人の罪、人生の意味などについて人々に語り、証しをしたのです。
私は三十数年前、下関のミッションスクールに修養会の講師として招かれた時、ある講堂に通されました。
担任の先生から、この講堂にヘレン女史が来られた時、讃美歌の合唱に合わせてタクトを振るかっこうをされたという話をお聞きして、深く感動を覚えました。