2014/10/26 週報メッセージ

   宗教改革者ルターについて
                                                                                                        朝位 真士
 
  10月31日に近い聖日に、プロテスタント教会では「宗教改革記念日礼拝」として、ルターやカルヴァンについて学びます。今日はルターについて記してみましょう。
 マルティン・ルター(1483~1546)はドイツ中部の農村に生まれ、1505年エルフルト大学文学部を終え、法学部入学直後、雷雨の中で死の恐怖を経験して修道士になる決心をし、同年アウグスチヌス派修道院に入りました。神学博士となり、ウィッテンベルク大学神学部教授に就任。1517年に同大学の門扉に「95カ条の提題」を掲示したのが10月31日頃です。
 プロテスタントの三大原理は、①聖書のみ、②万人祭司、③信仰のみです。カトリックは聖書の他に伝統や神の召命を受けた聖職者を重んじています。プロテスタント教会では、聖職者だけでなくすべての信徒が神にとりなしの祈りをすることができ、直接的に神と交わる事ができるのです。そして端的にイエス・キリストを救い主として信仰する時に、すべての人が救われます。
 「正しい者は信仰によって生きる」という言葉はハバクク書2章4節の引用ですが、義人は生き残ります。「生きる」とは「救われて生きる」という意味であり、「信仰によって」は、「信じるすべての人」に相対しています。「正しい人」「義人」は、神の義を与えられた人のことです。救いを受けるうえで、キリストにおいて与えられる神の義にのみより頼む信仰は、主にのみより頼む旧約の信仰と本質的に同一のものです。約500年前の宗教改革記念日に私共の信仰をもう一度見直す必要があるのではないでしょうか。