2025/12/14 週報メッセージ

キャンドルを灯して待つ

川﨑 信二 

4本燭台があります。待降節に入ると、1本ずつキャンドルに点灯されます。キャンドルの灯りを見てクリスマスを待つ。灯りは「祈りの火」を現わします。目で灯りを確認しながら祈り続けるのです。「絶えず祈りなさい」。諦めずに祈り続けるものでありたいと思います。

4週目の日曜日に4本目に点灯され、クリスマス礼拝を行います。5本燭台という見慣れないものもあります。4週目の聖日はまだ待降節です。その週にイヴそして降誕日を迎えるので、その時に5本目を点けるわけです。4本燭台とは別に、イヴに大きく太い燭台を真ん中に立てて灯す場合もあります。待降節に紫色のキャンドルを使う教会もあります。「紫」は苦しみを表す典礼色です。

受難節の時と同じ色です。因みに7本燭台は受難節に7本のキャンドルに灯され、翌週より1本ずつ灯火が消えてゆき、主の受難日には全て消え真っ暗になります。「消灯礼拝(テネブレ)」と言います。主の十字架の苦しみを覚えるためです。

キャンドルの灯りは象徴です。命の象徴です。人の命は儚くも消えてゆきます。世界から光が失われた時に、主が輝く復活の姿で現れるのです。

逆に待降節は「点灯礼拝」となります。1本ずつ灯されます。それは、命である主が来られるのを、今か今かと待ち望み、備える意味があります。 主が来られるまでは苦しむのです。ですから、待降節には、キャンドル以外の飾付をしない教会もあります。降誕日を迎えてから喜ぶというのです。大事なことは、暗さの中に希望があるということ。光は希望です。

「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」 ヨハネ1:9

3本のろうそくは何を意味するでしょう。3本の十字架のように、両側の犯罪人は罪によって死にますが、真ん中の主の光(命)は消えず、罪人を永遠の楽園に導いてくださいます。真ん中のキャンドルの背が高いのは、主イエスだけが上げられ、主に繋がれば生きることを意味します。地上の光は全て消え、主の光が世を照らすのです。