S牧師を見舞って
朝位 真士
先日の首都圏の教師会で、S牧師が末期のガンであり、医者からは余命1週間位と宣告されているので、皆様祈って欲しいという要望があった。約30名集まっていた教師たち一同は、心を一つにして熱心に祈らせていただいた。
私は教師会の責任者の一人として是非訪問したいと願い、7月6日午後に郊外のキリスト教関係のホスピス病棟へ見舞いに伺った。S牧師の奥様は毎日付き添っておられるので、その日は休むようにと言われて、おられなかった。S牧師と二人でしばらく過ごし、先生の証しを伺うことができた。彼は大手の会社の管理職を定年になり、時間が空いたので60数歳になって求道され、信者になり、70歳近くで献身をして、72~3歳で伝道者となり、牧会されていた。体調の不良をうったえて病院で診察してもらったところ、末期のガンということが判明した。手術をしても何年といわれたので、彼はホスピスを希望されたようすであった。体は少し細身であったが、私たちの面会(後にW牧師と同席)に大変喜んでくださり、一人で一気に30分以上も話された。ご自分の証しである。顔は輝き、気力は充実しておられ、死期が迫っているような状態とは思われない感じであった。見舞った私たちが反対に勇気づけられ励まされた。
カトリックの挨拶に「メメント・モリ(死を覚えよ)」という言葉があるそうだが、本当に私共も、いつ主が来られてもよいように、また人生の最後が来てもよいように備えたいものである。「イスラエルよ、神に会う備えをせよ。」(アモス4・12b)
S牧師の病気を通して、多くの方々が慰められ救いに入ることができるように、切に神に祈る次第である。