クリスマスの根拠
川﨑 信二
しかし、わが名を畏れ敬うあなたたちには義の太陽が昇る。その翼にはいやす力がある。マラキ3:20
12月25日という誕生日は聖書に記載がありません。4世紀半ば、ローマ教皇ユリウス一世が「イエス・キリストの誕生日を12月25日とする」と布告したことにより決められました。この日はローマ帝国の冬至祭(太陽神の誕生を祝う日)に当り、教会が異教徒を取り込むためのものでした。しかし、標記の御言葉のように主イエスが「義の太陽」として来られる預言でもあり、暗闇を押しのける希望の光として誕生されたのです。
主イエスの生誕を「春」だとする学者もいます。寒い時期に野宿は難しいという理由です。しかし、ベツレヘムの12月の平均気温は最低約5℃程度です。雪が降ることは稀です。この気温は羊が野外で過ごすのに耐えうる範囲です。
聖書に出てくる羊飼いは、神殿で犠牲として捧げられるための特別な羊の群れを飼育していた可能性が指摘され、これらの羊は年間を通じて野外で管理されていて、冬の間も野宿を伴う監視が行われていたと考えられます。
西暦紀元の根拠は、主イエスの誕生年を基準にした紀年法にあります。525年にエクシグウスによって考案されました。AD(anno Domini/主の年)とし、紀元前をBC(before Christ/キリスト前)とし、主の誕生が歴史を分けることになりました。後に、主イエスの誕生年は紀元前6-4年頃とされました。ヘロデ王は(マタイ2:1)紀元前4年に死んでいるので主イエスの誕生もそれ以前となります。
ローマ皇帝アウグストゥス(ルカ2:1)は紀元前27年から紀元14年まで君臨したので、同時代です。シリア州総督のキリニウス(ルカ2:2)は、紀元前6年頃にユダヤ地方を含めた住民登録を行ったことが記録に残っています。
主イエスの宣教は、およそ30歳(ルカ3:23)で、皇帝ティベリウスの第15年(ルカ3:1)の時代です。紀元27年頃なので逆算するとだいたい合います。主イエスの正確な誕生年月は分かりませんが、だいたいの年と歴史上存在された方であることが事実であることが分かります。
主の誕生を基準にした西暦。主の誕生を記念としたクリスマス。クリスマスは主を礼拝するという意味です。主のご降誕が、その後、数えきれない方々の人生を変えたことを思うとき、すべて神のご計画であることが分かります。