創造の業はこの「わたし」のため
川﨑 信二
星野富弘氏の描かれたアガパンサス(ムラサキクンシラン)の絵は青紫の綺麗な花びらで「こころのたべもの」という詩が添えられていた。
たべられません
あなたが 美しく彩った
草花のほとんどは
たべても うまくありません
でも人は それを庭に植えて
こころのたべものにしています
「あなたが」という主語に改めて神の創造の業を思う。人間の目に麗しく映り、人間の心を癒すためにこの草花が咲いているかのようにも感じる。これらを人間のために配置してくださった神の愛に、一つ一つの自然を通して気づかされた。
アガパンサスは南アフリカ原産だが、名前の由来は
ギリシャ語のアガペ(神の愛)とアントス(花)の合成語で聖書的な意味があるという。三浦綾子さんは重い病気のなかで「私は神にえこひいきされている」と語ったが、美しい草花を見て感じるだけでなく、試練においても神の愛を感じることができるのは神への深い信頼からくるのかもしれない。
7月初旬、雷雨があり牧師館の窓まで水が弾くほどの豪雨だった。短時間であがってくれたが一瞬恐怖を覚えた。人知を超えた自然の力、その背後におられる創造主を仰ぐ機会となった。天地創造において人間は生き物の中で最後に造られた、とても弱い存在だ。しかしその人間に命の息を吹き入れ、特別な存在として愛され、この私をも顧みて下さっていることを、教えられた。
「あなたの天を、あなたの指の業を、わたしは仰ぎます。月も、星も、あなたが配置なさったもの。そのあなたが御心に留めてくださるとは、人間は何ものなのでしょう。あなたが顧みてくださるとは。」詩編8:4-5