目を覚ましていなさい
朝位 フミ子
この「目を覚ましていなさい」という言葉の意味を、私たちは誤解してはならないと思います。イエス様は、私たちに、寝てはいけない、寝坊してはいけない、居眠りをしてはいけない、休んではいけない、働き続けなければならない、しっかりやらないといけない、もっと頑張らないと駄目だと言っておられるのではありません。イエス様が「目を覚ましていなさい」と言うのは、今がどういう時なのかわきまえて生きなさいと言っておられるのです。今、神様が私たち一人ひとりに任せられている務め、委ねられた私たちの務めを、最後まで責任を持って忠実に果たしていきなさいと言っておられるのです。
しかし、私たちは、現実の生活の中で色々と大変なことが起きたり、気持ちが辛くなって落ち込んだり、不安になったりすると、せっかく神様から務めが与えられているんだから、失敗してはいけない、頑張って成功しなければならないと思い、その務めに責任を持って果たすことがプレッシャーになり、重荷になって、もう駄目だ、もうできないと諦めてしまいたくなるのです。イエス様が、ここで私たちに期待していることは、失敗しないで成功しなければならないということではない訳です。
いつ帰って来られるか分からない主人であるイエス様を、僕である私たちがガチガチに緊張して待っているんじゃなくて、また反対に、イエス様が来られることなんて自分にとって全く関係ないことだし、何の期待も希望も持てないという冷めた気持ちでもなくて、今生きているこの日、この時が、たとえ私たちにとって試練の時、色々と心を騒がせるような時だとしても、明日のことを何も心配しないで、慌てないで、落ち着いて安心して、イエス様が来られる時に期待して、希望を持って生きていくことに尽きるのだろうと思います。