森島泰則教授の文に感動して
朝位 真士
先日『いのちのことば』2月号の中で、国際基督教大学の森島教授の「時代を見る眼」という文章が心にとどまったので、皆様にご紹介させていただきます。先生は、認知心理学を専門とされる方です。
認知科学者のスティーブン・ピンカーが、近著『二一世紀の啓蒙』の中で次のようなエピソードを紹介しています。心は脳の活動パターンで決まるとされています。しかし、脳の活動パターンという物質的活動から非物質的な理性(心)が生じるのかという問いは、現代脳科学の最大の未解決問題と言われます。そして先生は「聖書によれば、理性(心)は神によって与えられました。もちろんこれは科学的な説ではありませんし、脳活動と心の脳科学的な関連性を否定するものでもありません。しかし、一部の科学者が批判するような迷信のような信念でもありません。聖書は、確かな根拠に基づいた信頼に値するものだからです。」コロナ禍を「克服」する鍵は、生きる意味を持っているか、そしてその意味とは何なのかにかかっているのではないでしょうか。キリストにあって生きる意味と希望を見出したパウロの次の証しは、私たちに勇気を与えてくれます。「私は、貧しさの中にあることも知っており、富むことも知っています。満ち足りることも飢えることにも、富むことにも貧しいことにも、ありとあらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。私を強くしてくださる方によって、私はどんなことでもできるのです。」(ピリピ4・12~13)私も同感です。