2018/5/20 週報メッセージ

   聖霊降臨日(ペンテコステ)とは何か                                                                                                                                                                                        朝位 真士
  使徒言行録二章にある、聖霊が弟子たちに降ったことを記念する祝日です。復活日の七週間後。復活日を一日目として数えて五〇日目。必ず日曜日です。キリストが昇天するのを見送った弟子たちは一箇所に集まって祈っていました。そこに聖霊が降りました。それ以降、聖霊は信徒の群れに留まり続けていますので、「教会の誕生日」などと説明されます。ただし、ペンテコステという言葉は、単に「第五〇」を意味します。「五旬祭」(使徒二・一)別名「七週祭」とも言います。
 ユダヤ教では、神殿があった時代はこの祭りの日に各地から神殿にお参りする義務がありましたが、神殿がなくなってからは(紀元七〇年)、各地に散ったユダヤ人がシナゴーグと呼ばれる会堂に集まってルツ記が読まれるようになりました。ルツ記はそのような異なるクニ、違う言葉、別の文化を持つ人たちが一つの家族となった物語です。使徒言行録二章によると、聖霊に満たされた人々が他の国々の言葉を話し始めたとあります。まさに、福音が異なるクニ、違う言葉、別の文化を持つ者に伝わっていく姿を思わせ、ルツ記とつながる出来事です。
 今日の使徒言行録二章一~一三節において、聖霊の降臨の記事が記載されています。この瞬間から聖霊は初代教会を支配する実在の原動力となりました。三つのことが語られています。①聖霊は神の指導力の源泉でした。初代教会は聖霊の導きを受けずに大切な決定をしたことは一度もなかったし、重要な段階に踏み出したこともありませんでした。②教会の指導者たちは、聖霊に満たされた人たちでした。初代教会の会員は皆、空気を呼吸して生きているように、聖霊のうちに生きていました。③聖霊は、その日その日の勇気と力の源でした。キリスト者が危険に遭遇したときの勇気、十二分に人生を処理する力、雄弁が要求されるときの雄弁、状況に左右されることのない喜びーこれらすべてが聖霊の働きです。