聖書の基本的な教え
朝位 真士
神について ー 父なる神 ー 神は時間と空間とを超越して永遠に存在する生ける霊であり、直接目で見ることはできませんが(ヨハネ四・二四、Ⅰテモテ六・一六)、あらゆる所に存在します(詩編一三九・八)。神は唯一であり(申命記六・四)、絶対的な超越者、また他の何ものにも束縛されない主体性と完全性を保持する人格的存在であり、「聖なるお方」と呼ばれるにふさわしい方です(イザヤ六・三)。神にはすべてを見とおす力(全知)、あらゆる事柄を生じさせる力(全能)といった属性があります。
世界の創造と統治 ー 神は「天と地」と称される全宇宙と、そこに存在するすべてのものを造られました(創世記一・一、二・二)。神は「万物の存在の目的であり、また原因でもある方」です(ヘブル二・一〇)。神によって造られたのは美しい調和のとれた世界でした(創世記一・三一)。神は世界の究極の所有者、統治者でもあります。神は被造世界を愛し(ヨハネ三・一六)、保護し、その歴史の中に、直接的、人格的に介入される場合があります。神は「今に至るまで働いておられます」(同五・一七)。この神の愛は、人間が罪を犯す前も、その後も不変です(ローマ五・八)。神は人を死から復活させる力をも有し(ガラテヤ一・一)、「父なる神」と呼ばれて敬われます(マタイ六・二六)。
子なる神、キリスト ー イエス・キリストは「子なる神」と呼ばれます。キリストは天地万物の創造以前から父なる神のもとに存在しましたが(ヨハネ一・一~二)、人類の救いのためにイエスという具体的な肉体をとってこの世に下りました。
聖霊なる神 ー 聖霊はみことばとともに人に働きかけ、聖霊のもっとも重要な働きは「イエスは主です」との信仰告白のなされる所で明らかにされます(Ⅰコリント一二・三)。
三位一体 ー 父、子、聖霊という三つの位格を持つ神は「三位一体」の神としてあがめられます(Ⅱコリント一三・一三)。つづく。