2016/4/3 週報メッセージ

   ある少年院での卒業式
                                                               朝位 真士
  私の奉仕しているA女子少年院での中学生の卒業式に出席した。出身校
の中学校校長先生が一人の卒業式のため出席され、出身中学校の卒業
証書を授与された。その後、少年院の院長先生の祝辞、校長の祝辞、卒業
生の言葉があった。少年の少年院での生活の一場面が写し出され、非行
当時の心理状況と現在の心理的変化がうかがわれた。式が終わって一人
のキリスト教教誨師の先生のお話を伺う時が与えられ、大変感動したので
皆様にお伝えしたい。
 先生は長く教誨師・篤志面接委員をしておられる、80歳を超えた温厚な
先生である。少年院の授業でキリスト教的教養講話をしていた時、ある少年
がその話に感動して、少年院を出た後、母親にキリスト教の話をされた。
その少年の母親は感動して、キリスト教を求道して信者となり、教会生活を
送られるようになった。ある時、神様から牧師・伝道者になるように召命を受
けて献身し、某神学校に行かれ、現在は都内のある教会の牧師として御用
されているということである。今もその少年と母親との交流が継続していると
いうことを伺った。
 「あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを
見いだすだろう。」(コヘレト11・1)
 「朝、種を蒔け。夜にも手を休めるな。実を結ぶのはあれかこれか。」
                                  (コヘレト11・6)