2016/2/7 週報メッセージ

   「西東京教区研修会」に出席して
                                                                         朝位 真士
  2月1日~2日まで小金井聖霊修道院マリア館にて、旧約学会会長の
並木浩一先生を迎えて1泊教師研修会があった。テーマは未信者の心に
届く福音ー旧約聖書と現代ーであった。旧約聖書が「人間の尊厳」につ
いてどう語りかけるのかというテーマで、並木先生の講義に期待をもっ
て参加した。
 Ⅰ「未信者の心に届く福音」を見据えて現代の課題を考える。(1)現代人
の関心はどこに向けられているか。(2)現代日本はどこへ行く。(3)認識を
適切に導くために神学的な考察を。(4)思想・信条・信教の自由が危機に
晒されている。(5)戦争責任は回避してよいか。(6)国体の護持と国家と宗
教の二元論の排除……
 Ⅱ日本的な心性との対比で読む創造物語。(1)神は世界を創造する。
(2)創造行為は日々に区切りを与える。(3)神の似像としての人間の尊厳。
(4)創造は歴史を外ら見通す。
 Ⅲ終末から現在を見据えた預言者の言葉。(1)終局から現在を見据えた
預言者の言葉。(2)審判の確信の下で変貌する世界。(3)神は人々の意表
を突く。(4)神は諸国民の悪にも真剣に向き合う。(5)イスラエルの罪は人間
感覚の喪失にある。
 最後に先生は「現代にもアモスの時代と同様の非人間的状況が見られる。
日本の経済優先主義は資本主義的な仕方で社会の格差を広げており弱者
に過酷な労働を強要する。支配機構は個々人の良心と尊厳を軽視し儀式に
おいて国家権力の象徴への服従を国民に求めている。……内村鑑三の2つ
のJに向かう課題はますます重くなっている。その覚醒が自ずからなされる
ように福音を語る。それを探索し続ける必要をともに確認したい」と結んだ。