2015/11/8 週報メッセージ

   生命ある説教の秘訣
                                                                                                       朝位 真士
  キリスト教逸話例話集に次のような文章が記載されていた。
 
  ヘルムート・ティーリケ(一九〇八~八六)はドイツの有名な神学者であり優れた説教者でもあった。彼は
 ハイデルベルク大学の教授をしていたが、一九四〇年ナチスにより追放され、さらに一切の旅行や講演を禁
 止された。彼はこれに屈せず説教や講演を続けた。
  一九四二年から数年間、戦時下のシュトットガルトで毎週説教をしたが、軍人を含むあらゆる階層の人々が
 三〇〇〇人も集まって、彼の話に熱心に耳を傾けたと言われている。さらに驚くべきことは、説教が終わると
 二〇〇人ばかりの女事務員が残り、集めてきた古紙にティーリケが口述する要旨を書き写し、それが次々に
 人手に渡り前線にまで届いたと伝えられている。当時、空襲下において印刷することが不可能だったからであ
 る。
  なぜ彼の説教がそれほどの力と命を持っていたのか、その秘訣を彼に尋ねたところ、彼は「単に頭で考えた
 ことではなく実践によって確かめられ、また、しばしば十分な苦難とともに学んだ真理のみをのべ伝えようと
 激しい努力を傾けるようになりました」と答えた。
 
 以上のように記載されていた。特に印をつけている所に注目していただきたい。聖書の中に記されているパウ
ロ書簡を見ると、最初は教理的な部分(キリスト教教理または教義)を書き、後半に実践的な部分を書いている。
 私は町内の清掃ボランティアをしている時、いつも自分の語った説教をイヤホーンで聴きながら、楽しく奉仕しているが、もっともっと聖書に精通し、祈りを熱心にしていかねばと思う。また会衆の皆様方が、礼拝の御用に当たる牧師、信徒、奉仕者の方々のため、毎日数分でも祈って助けて欲しい。何よりも礼拝出席を厳守して欲しい。万物の終わりが近づいている。また礼拝出席も限られているので、悔いのない日々を送りたいものである。