母の日に想う
朝位 真士
アメリカのヴァージニア州ウェブスターの町にあったメソジスト教会に、アンナ・M・ジャーヴィスという教会学校の教師として26年間も奉仕した夫人がいました。ある日曜日に、モーセの十戒の第5戒「あなたの父と母とを敬え」の箇所より、「皆さんの中でどなたかお母さんの偉大な愛に対し、心から感謝を表す方法を考え出してくださる方のでることを望みます」と語りました。そのとき娘のアンナは、お母さんの話を感銘深く聞いていました。
その後ジャーヴィス夫人は亡くなり、教会で追悼会が開かれることになったときのことです。娘のアンナは、以前お母さんから聞いたことばを思いだし、たくさんのカーネーションの花をささげ、お母さんをしのびました。このことが列席者一同に大きな感動を与え、やがて有名な百貨店王といわれ後に大臣になっても教会学校の校長を続けた、ジョン・ワナメーカーの賛同を得、同氏の店頭で5月第2日曜日に盛大な記念会が催されました。これが母の日の始まりで、1908年(明治41年)のことでした。1914年にアメリカ議会は5月第2日曜日を母の日と定め、国旗を掲げてお母さんに敬意を表すことになり、やがて母の日は全世界に広まったのです。
「父と母を敬いなさい。」これは約束を伴う最初の掟です。「そうすれば、あなたは幸福になり、地上で長く生きることができる」という約束です。(エフェソ6・2)
個人的になりますが、私の母は47年前の6月25日に50歳の若さで召天しました。彼女は大変良く出来た人で、愛情の深いやさしい母でした。人の面倒を良く見て、他人までも世話をして、誰からも慕われ愛され、敬われた人でした。私は母よりも20年も長く生きてきました。母の恩に報い、神の為、人の為に全力を尽くして奉仕したいと思います。