十字架上の七言に想う
朝位 真士
今週は受難週で、来週の3月31日はイースター礼拝、復活節の礼拝を迎えることになった。この時もう一度、イエスさまが十字架上で語られた言葉を深く考えてみよう。
1.「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」(ルカ23・34)自分を殺す者のためのとりなしの祈りであり、かつて自ら言われたことを文字通り行われたので、肉体においてのイエスは苦しみにさいなまれておられたが、霊においては自由であり、全き信頼を崩さず「父よ」と呼びかけられた。
2.「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」(ルカ23・43)「楽園」はエデンの園に由来するが、新約聖書では死後の領域、回復された原初の時の状態。「今日」救いが実現。
3.「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です。……見なさい。あなたの母です。」(ヨハネ19・26~27)イエスによって愛の人に変えられたヨハネに、マリヤの世話を託す。新しい人間関係が生まれた。
4.「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか。」(マタイ27・46)父なる神との断絶の中で、肉体の痛みをはるかに超える苦悩の深みで、罪人の代表として「わが神」と祈られた。
5.「渇く。」(ヨハネ19・28)この語にも二重の意味を持たせていると取るべきである。一つは「万事休す」の意味であり、二つは「成し遂げられた」「目的を果たした」という意味である。
6.「成し遂げられた。」(ヨハネ19・30)これは、5と6の言葉を結びつける言葉で、父の意志に子の意志が同一化して究極点に到達したのである。
7.「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」(ルカ23・46)イエスが生の極みまで神を信頼していることを表している。
イースター礼拝を喜んで迎えよう。