2012/9/16 週報メッセージ

   エマオの道で                                                                 
                                                                                                           朝位 真士
  米国合同メソジスト教会屈指の説教者、元アズベリー大学学長、デニス・F・キンロー先生の『霊想書』の2月20日の日課に「出し惜しみしない愛」(マルコ14・1~9)という記述がありました。「『イエスがベタニアで、らい病人シモンの家にいて、食卓についておられたとき、ひとりの女が、非常に高価で純粋なナルドの香油が入れてある石膏のつぼを持ってきて、それをこわし、香油をイエスの頭に注ぎかけた。』(マルコ14・3)ルカ7章にはイエスがシモンの家で食事をなさった時の話が記録されています。その会食の最中に一人の女性が入ってきて、石膏のつぼを壊し、入っていた香油をイエスに注ぎかけました。そして涙でイエスの足を洗い、髪の毛で拭きました。ベタニアのマリヤが自分と家族にイエスがしてくださったことのゆえに香油を注いだという、出し惜しみのない愛でした。彼女は自分の涙で足を洗い、高価な香油を注ぎました。」
 私はこの記事に出会った時に、三十年前の出来事を思い出しました。前任のK教会の副牧師をしていた時に、新会堂建築と、開拓伝道地での土地購入・建物建築というダブルの恵みに与ったことです。当時百数十名の礼拝出席があり、会堂が満員であったので、会堂建築という課題が持ち上がり、毎朝早天祈祷会が6時半から行われていました。十数名の熱心な方々が祈っていました。その中に一人の老年の医師がおられました。彼は毎朝約1時間かけて祈祷会に出席しておられました。質素な生活をされていて、古着を着用しておられました。本当に質素な生活をされていましたが、会堂建築と土地取得のために数千万円の財産をささげて、忠実に信仰生活を全うし、天に凱旋されました。この話は、彼が召天された後に教会の会計役員から聞かされて、本当に驚きと感謝を表しました。「我等の国籍は天にあり。」ハレルヤ!!