2010/7/25 週報メッセージ

   福音とは
                                                                                                                         朝位 真士
  「福音とは何か。」福音書とはギリシア語のエウァンゲリオンによって表された。だがこのギリシア語は「よいことを伝達するところの」という語から派生したもので、元来戦争に勝った知らせを意味した。やがてローマの帝政下にあって皇帝継承者の誕生などが「福音」の告知となった。最初期の教会はこの語を旧約聖書に由来する「喜びの知らせを宣べ伝える」から解釈した可能性がある。いずれにせよこの語は教会では「福音」、すなわち人々への神の「喜ばしい知らせ」を意味した。
 「イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、『時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい』と言われた。」(マルコ1・14~15)
 「わたしは福音を恥としない。福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力だからです。」(ローマ1・16)
  しかし少し後になると教会ではエウアンゲリオンが「福音書」として用いられ始める。イエスの生涯と教えを内容とする本を意味し始めたのである。それを証言する文献が出現するのはイエスの死後70年ほどたった2世紀初めの頃である。それ以前に完成した新約聖書の四福音書には、ほぼ「福音書」を意味するエウアンゲリオンという言葉はない。むしろマルコ、ルカ福音書では、この語は大切な「福音」として用いられた(マコ8・35、マタ4・23)。(聖書辞典より引用)
 私は「福音」とは「イエス・キリスト、その事実」であると考える。イエス・キリストの十字架の死と復活を信じることによって、どんな人でも救われ、人生が変えられ、新しい人生の歩みを踏み出すことができる。
 「だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。」(Ⅱコリ5・17)